基礎知識

滞納家賃・管理費:不動産賃貸借契約書の書き方

個人的に所有している駐車場や空き地などの土地、アパート、マンション、戸建てなどの建物を、賃料を得て貸すことは、賃貸借契約という法律行為です。

ここでは、基本的な賃貸借契約書の書き方・作り方の基礎について、解説します。

賃貸借契約の基礎

賃貸借契約は、民法第601条から第622条において、契約の成立要件や効果、終了事由などが定められています。また、建物の賃貸借や、建物の所有を目的とする土地の賃貸借については、借地借家法の適用も受けます。

そのため、当事者間で細かい賃貸借の契約条項を定めておらず、裁判等で争いとなった場合には、民法や借地借家法の定めに従い、判断されることになります。

契約書のタイトル

契約書のタイトルそのものは、契約の要素ではありませんから、なくても構いませんが、タイトルを付けるなら、分かりやすいものがいいでしょう。

例)賃貸借契約書/不動産賃貸借契約書/土地賃貸借契約書/建物賃貸借契約書

賃貸目的物

賃貸借契約の重要な部分です。何を貸すのか、賃貸の目的物について、特定しておきましょう。登記されている不動産を賃貸する際には、不動産登記簿の記載・表記を参考にするほか、不動産登記簿や建物図面などを添付するとよいでしょう。

例)賃貸人は、賃借人に対し、以下の物件を賃貸する。

所在:

家屋番号:

種類:

構造:

床面積:

賃料

賃貸借契約の重要な部分です。賃料はいくらか、いつまでに、どのように支払うのか、特定しておきましょう。

例)賃借人は、賃貸人に対し、賃料1ヶ月●万円を、毎月末日までに、賃貸人の指定する預金口座(●●銀行●●支店・普通・口座番号●●●・口座名義人●●●)に振り込む方法によって支払う。振り込み手数料は、賃借人の負担とする。

賃貸期間

賃貸期間を定めない賃貸借契約もありますので、賃貸借契約において必ずしも賃貸期間を定めなければならないというわけではありません。ですが、一般的には、賃貸期間を定めておくことが多いでしょう。

なお、賃貸期間を定める場合には、賃貸期間が終了した場合に契約は更新されるのか、更新しない場合はどのような手続きを取るのかなどについても定めておくとよいでしょう。

賃貸期間は、平成●年●月●日から平成●年●月●日までの●年間とする。

使用目的

土地の賃貸では、建物の所有を目的とする賃貸借の場合は、借地借家法の制限を受けることになりますし、賃貸物件の使用目的を制限したい場合、使用目的を定めておく必要があります。その他、使用条件・利用条件を定めたい場合、条件指定しておく必要があります。

賃借人は、本件物件を、●●以外の目的で使用してはならない。

契約の解除事由

法律の定める解除事由以外の事由で、賃貸借契約を解除したい場合、契約で解除事由で定めておく必要があります(約定解除事由と呼ばれます)。例えば、賃貸物件の使用目的や使用方法などを契約で定めた場合、その違反を解除事由と定めておくことで、使用目的や使用方法に違反があったときに契約を解除できます。

また、賃料の不払いなど債務不履行を理由に契約を解除する場合、法律上、契約の解除に先立ち、催告(さいこく)を行わなければなりません。ですが、催告を省略する解除方法を契約で定めておくこともできます。

賃貸人は、賃借人が次に定める1つに該当する行為をしたときは、何らの催告を要することなく、本契約を解除することができる。

・賃料を●ヶ月以上滞納したとき

・使用目的に違反したとき など 

原状回復義務

一般的に、賃貸借契約の終了に際して、賃借人は原状回復義務(賃貸物を借りたときの状態に戻して返す義務)を負うとされていますが、現行民法上は、契約解除による賃貸借契約の終了の場合を除いては、同義務は明確に規定されていません。賃貸期間満了による賃貸借終了などにも対応できるよう、賃貸借契約が終了する際の賃借人の義務を定めておくとよいでしょう。

賃借人は、本契約が終了したときは、賃貸人に対し、本件物件を原状に回復した上で、明け渡さなければならない。

賃貸借契約に付随する契約など

賃貸借契約に付随して、敷金契約や保証人との保証契約が締結されることがあります。付随した契約を締結したい場合、賃貸借契約書に記載しておくとよいでしょう。

連帯保証人は、本契約から生じる賃借人の賃貸人に対する一切の債務について、連帯して保証する。

契約日付、契約当事者、署名と押印

賃貸借契約書には、一般的に、その契約がいつされたのか、契約を特定するために契約日付を記載します。また、契約当事者は、賃貸借契約の要素ですから、必ず記載します。さらに、その契約が成立したことを明らかにするため、必ず契約当事者の署名と押印をしましょう。

平成●年●月●日

(賃貸人)

住所

氏名(署名) ●● ●● 印

(賃借人)

住所

氏名(署名) ●● ●● 印

 (連帯保証人)

住所

氏名(署名) ●● ●● 印  

終わりに

不動産の賃貸借契約がトラブルになった場合、賃貸借契約書にどのように記載されているかは、とても重要です。賃貸借契約に記載すべき基本的な事項は、上記だけではありませんが、ご参考下さい。

 

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