債権回収のよくあるご質問

第三者からの情報取得手続とは、どのような手続ですか。

第三者からの情報取得手続は、債務者の財産に関する情報を、裁判所を通して第三者から取得する手続です。
得られる情報は、債務者の①不動産、②給与(勤務先)、③預貯金、④上場株式、国債等、があります。

1.第三者からの情報取得手続とは

第三者からの情報取得手続とは、債務者の財産に関する情報を、裁判所を通して第三者から取得する手続です。

取得できる情報は、債務者の①不動産に関する情報、②給与(勤務先)に関する情報、③預貯金に関する情報、④上場株式、国債等に関する情報、があります。取得する情報によって、手続が異なります。

2.手続を利用できる要件

第三者からの情報取得手続は、債務者の財産に関する情報を、債務者の同意を得ずに取得する手続であるため、以下の要件が必要です。

(1)執行力のある金銭債権の債務名義の正本を有する債権者であること

※債務名義には、判決、和解調書、調停調書、審判、仮執行宣言付支払督促、強制執行認諾文言付公正証書等があります。和解契約書や覚書等、当事者間で作成した書面だけでは利用できません。

※勤務先情報の取得以外の場合は、債務名義の正本ではなく一般先取特権に基づく申立ても可能です。その場合の手続について詳しくは弁護士にご相談ください。

(2)執行開始要件(債務名義の送達等)を備えていること

(3)強制執行や担保権の実行をしても完全な弁済を受けることができなかった、又は知れている財産に対する強制執行を実施しても完全な弁済を得られないこと等(不奏功要件、民事執行法第197条1項各号)

※勤務先情報の取得の場合、金銭債権の内容が、民事執行法151条の2第1項各号に掲げる義務に係る請求権(養育費等)、人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権に限られます。

※不動産に関する情報及び勤務先情報の取得の場合、財産開示手続を先に行っていることが必要です。

3.情報取得後の手続

第三者からの情報を取得した後、債務者の財産を換価して債権を回収するためには、別途強制執行の申立てを行う必要があります。第三者からの情報取得手続は、あくまでも債務者の財産を調査するための手続であるためです。

なお、名古屋地方裁判所の運用では、原則として、第三者からの情報提供がなされてから1か月を経過すると、裁判所から債務者に対して情報を提供した旨の通知が行われます。債務者には、この時点で第三者からの情報取得手続が行われたことを知られてしまい、債務者による財産隠しが行われるリスクが生じます。そのため、情報提供を受けた場合はすぐに判明した財産に対して強制執行を申し立てる必要があります。

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