仮差押えの担保金(供託金・保証金)の金額は、被保全債権や差し押さえる目的物(不動産、動産、債権等)、事案により異なりますが、一般的には差し押さえる目的物の価格の10%から30%前後とされています。
1.仮差押えとは
仮差押えとは、仮に相手の財産を差し押さえる手続きです。
訴訟を提起し、勝訴判決を得たとしても、勝訴判決に基づき強制執行をするまでの間に債務者が財産を処分してしまうと、実際に債権を回収することが極めて困難になります。そこで、一定の要件(民事保全法13条、同20条1項参照)の下、将来の強制執行に備えて、仮に相手の財産を差し押さえることが認められています。
2.仮差押えに担保金(供託金・保証金)が必要な理由
仮差押えの手続きは、通常の裁判と比べて簡易迅速に行われ、債務者に反論の機会も与えられません。
そのため、仮に債権者の主張する債権が存在していなかったような場合、仮差押えにより債務者に不当な損害が生じる可能性があります。そこで、債務者が被る損害の担保として、申立人(債権者)は、原則として、担保金(供託金・保証金)を支払う必要があります。
なお、担保金は、本案での勝訴の確定判決を得る等一定の要件を満たせば、還付してもらうことができます。
3.担保金(供託金・保証金)の相場・目安
担保金(供託金・保証金)の額は、被保全債権や差し押さえる目的物(不動産、動産、債権等)、事案により異なりますが、一般的には差し押さえる目的物の価格の10%から30%前後とされています。
参考条文
民事保全法
(申立て及び疎明)
第十三条 保全命令の申立ては、その趣旨並びに保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性を明らかにして、これをしなければならない。
2 保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性は、疎明しなければならない。
(仮差押命令の必要性)
第二十条 仮差押命令は、金銭の支払を目的とする債権につい5て、強制執行をすることができなくなるおそれがあるとき、又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。
2 仮差押命令は、前項の債権が条件付又は期限付である場合においても、これを発することができる。