債務名義(さいむめいぎ)とは、債権者が債務者に対して、一定の債権・請求権を有していることを証明した公的な文書のことをいいます。
強制執行は、この債務名義に基づいて行われます。逆にいうと、債務名義がなければ、強制執行することはできません。
どのような文書が債務名義となるかは、民事執行法22条に規定されています(下記参照)。
債権やお金の回収では、判決書、審判書、和解調書、調停調書の他、公正証書(同条5号)も、債務名義としてよく利用されています。
【参考条文】
○民事執行法22条
強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。
1 確定判決
2 仮執行の宣言を付した判決
3 抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)
3の2 仮執行の宣言を付した損害賠償命令
3の3 仮執行の宣言を付した届出債権支払命令
4 仮執行の宣言を付した支払督促
4の2 訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件(他の法令の規定により非訟事件手続法(平成23年法律第51号)の規定を準用することとされる事件を含む。)、家事事件若しくは国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成25年法律第48号)第29条に規定する子の返還に関する事件の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第42条第4項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)
5 金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)
6 確定した執行判決のある外国裁判所の判決
6の2 確定した執行決定のある仲裁判断
7 確定判決と同一の効力を有するもの(第3号に掲げる裁判を除く。)