債権回収のために訴訟を提起する場合、管轄のある裁判所へ、訴え提起する必要があります。
詳しくは⇒債権回収のために訴訟・裁判をしたい。どこの裁判所に訴訟提起するのですか?
仮に、管轄のない裁判所に訴訟を提起してしまった場合、
- 管轄のある裁判所へ、事件が移されるか、
- 被告が当該裁判所で応訴することにより応訴管轄が生じて、当該裁判所で事件が審理される
ことになります。
①事件が管轄のある裁判所へ移送されるケース
裁判所は、ある事件について、その裁判所に管轄があるかないかを調べる権限を有しています。
裁判所が、職権で管轄があるかを調べて、管轄がないと判断した場合、裁判所の権限により、管轄のある裁判所に事件を移すことができます(民事訴訟法14条、16条)。
また、被告から、管轄がない旨の反論が出され、被告から移送の申立てがなされ、管轄のある裁判所に事件が移されることもあります(同法16条)。
②そのまま当該裁判所で審理されるケース
被告が、管轄がない旨の反論(管轄違いの抗弁)をしないまま、事件の内容について反論等(本案に対する弁論・弁論準備手続きにおける申述)を行った場合、応訴管轄が生じます(同法12条)。
この場合、被告が管轄のない裁判所での裁判手続きに応じることで、管轄が生じ、そのままその裁判所で事件が審理されます。