差押えとは、債権者の債権・権利実現のために、国家権力によって、債務者の一定の財産の処分を禁止することをいいます。
処分を禁止するとは、売却、贈与、費消、損壊など、差押えを受けた財産を失わせる行為をいいます。債務者の債権を差押さえる場合には、当該債権の債務者(第三債務者)の支払い・弁済も禁止されます(例:給料を差押さえると、会社から当該従業員への給料の支払いが禁止されます)。
差押えについては、民事執行法に基本的な定めがあります。
具体的な差押え方法は、差押えを受ける財産の種類等によって異なります。例えば、不動産執行では差押えの登記、動産執行では執行官が動産を占有する方法、債権執行では、差押命令を債務者及び第三債務者に送達する方法で行われます。
債権・お金の回収にあたり、自ら債務・お金を支払わない債務者に対しては、このように財産を差押さえて債務者が財産を処分できないようにし、それを売却するなどして、お金を回収することができます。このような手続きは、強制執行と呼ばれています。
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ただし、債務者や債務者に扶養されている家族などの最低限の生活や基本的人権を守るために、差押えが禁止されている財産もあります。このような財産は、差押禁止財産と呼ばれています。
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